村上文子は、京都市立芸術大学美術学部美術科油画専攻絵画2を卒業した後に、

ギャラリースペースでのスタンダードな展示にとどまらず、

様々なスペース(オルタナティブスペース、イベントなど)での作品公開を

継続的かつ精力的におこなってきた。

彼女の作品を構成する要素として

画布にアクリルでペイント(もしくはドローイング)したタブローが主体だが、

もうひとつ重要な構成要素として詩集とタブローの併用がある。

これはコンセプチュアルアート以降に定着したメソッドだが、

村上のそれは意図された政治的メッセージや言語に対しての思想的関心ではなく、

文学的感性によるものであり、自己の記憶に潜む虚構性や

「もうそこにいるはずのない()

「そこにいたはずの()

に対する記憶がもたらす妄念に光を当てる独自の作風のうちに昇華されている。

2015年の秋に開催した下町芸術祭での彼女の展示でも上記の作法で空間を構成。

本展では、下町芸術祭での展示を終えてからの彼女の心情を綴った新作のみで構成され、

「絵の中で会う」をテーマに、

人と人との想いが寄り添い繋がりを求める普遍的テーマかつ

その綻びに潜む刹那の感情を想起させる空間展示となっている。

 

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下町アセンブリー展 2016.3.19 ―  22

村上文子展示会場「絵の中で会う」に寄せて

NPO法人芸法 /  小國陽佑

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